シマリス創作過程

試作1匹目。
折り紙でシマリスを作る上で、その名にもなっている縞模様をどのように折り出すかというのが最大の難関となります。この作品では、 以前から考えていた二枚の観音折りを重ねる複合、且つ、重ね折りによる縞模様の折り出しアイディアを実践してみました。

この画像の段階では2枚ともブック型で重ね、且つ、内側の用紙を後ろにずらすことで尻尾を出してみました。

試作2匹目。
ほぼ1匹目の折り直しですが、なんとか顔が可愛くならないかと努力しました。
しかし内側の紙を尻尾に回したため、顔に使える用紙が少なく、どうにもこのままでは可愛くできそうもないので、アイディアを練り直してみたのが次のもの。

3匹目。これがうまくいきました。
内側の紙の軸を対角線にすることで尻尾の長さを確保するという発想です。尾の幅がなくなるのを懸念していましたが、思ったほどその影響は出ず、逆に、思っていた以上に理想的なインサイドアウトによる顔ができました。

5匹目。
この間にほぼ同じものをもう一匹作って試しています。
後ろ脚と耳のデザインを改修したもので、この段階で最後の問題は尻尾が短いということでした。

6匹目。
二枚重ねである特性から、それらの紙を「まとめて折る必然性はない」という基本的なことに気付き、内側の紙のみを折ることで尾を長くすることに成功しました。

作品のページはこちら

完成品がこちらです。
この作品のように試作をする度に問題が解決し、トントン拍子で創作が進むことは滅多にないことですが、丁度その工程を当時リアルタイムでtwitterにアップロードしていたのでまとめてみました。
折り紙の創作において、折りたい対象の折りたいポイントを目標として定め、それを達成するためのアイディアを考え、そしてそのアイディアを引き出すための経験が必要ということを、私自身改めて実感した作品でもあります。
比較的特殊なケース、そして特殊な作品ではありますが、折り紙創作の一例として参考にしていただければ幸いです。